重盛たけやんのトレーニングには保険業界の方もたくさん参加していると以前から聞いていたので、トレーニングの卒業式を見学させてもらったのが、私にとってのたけやんとの出会いですね。私、そこに参加していたひとりの女性とたけやんと話しているときに「あなた、顔が死んでるわよ」って言われたんですよ。
吉武そうだったかな。覚えてないかも(笑)。
重盛もう「何を言ってるんだこいつは」って思いましたよ、そのときは(笑)。でも、図星でもあったんですよね。
一定の年収以上になってくると、
好きで得意じゃないと辛さが出てくる。
重盛当時は仕事のマンネリ具合に悩んで、ずっとこの会社にいていいのかなって不安もあったし、目標を見失っている感じもあったとき。いちばん悩んでいたころですね。それを見抜かれていたんだと思います。
吉武閉塞感を感じていたんだね。心理状態は、姿勢と表情に如実に表れるから。一定の年収くらいまでは収入が上がるたびに幸福度も増すし、ハードワークで乗り切れる。でもそれより上は、好きなことや得意なことの領域にいかないと飛躍がない段階になるんだよね。そういう時期だったんじゃないかな。
重盛「ブランディング期」ですね。自分でも気づいていたんだと思います。だからトレーニングを受けることは、すぐに決めました。最初は心理パートから入りましたね。
吉武そうそう。いきなり「何をしていくか」を決めることはしないの。過去の自分を探る作業から。「過去に経験したどんなことの影響があって今の自分になっているんだろう」とか、「どんなトラウマがあってこの性格になっているんだろう」とか。自分を形づくるものって、意外と自分で気づいていないでしょ。そこを明確化してはじめて、これから何をしていくか。生きる使命、ミッションに気づいていくプログラムなんだよ。
重盛そうですね。そのパートを経ることで、自分の中でも色々気付くことができました。
「顔が死んでる」と言われた1分後には、
受講を決めていた。
吉武最初に、しげさんが決めた「一点突破」は、医師相手に保険営業をしていくことだと言っていたよね。
重盛はい。トレーニングの中でも、「なぜ医師相手なのか」とか「医師相手にどういう価値を発揮できるのか」といったことを徹底して追求されましたね。自分は情報をもたらすことが得意だと思っていたし、その情報は医師の人たちから求められるものだ、という自負があったんです。でも、実際にそれで医師の方に営業活動をしてみても最初は全然うまく行きませんでした。
吉武相当苦戦していたのも見ていたよ。そんな中でもしげさんは、なんて言ってたか覚えてる?「普通はここで諦めちゃうんですよね。でも絶対諦めちゃダメだと思うんです」「いっぱいチャレンジした中で、どこかで光が見えてくるはずだから僕は頑張ります」ってずっといい続けた。医師相手の市場は上手く行かなかったかもしれないけど、あそこで諦めなかったから、いまはちゃんと別の自分が輝ける市場を見つけられたんじゃないかな。
重盛ええ。「トライ&エラーだ」って、たけやんに言ってもらったことを大事にして、頑張っていました。上手く行かなくても、次につなげていくことが大事。「トライ&エラー」って言葉は、いまでも私のデスクのところに掲げてある言葉です。現在は歯科医師相手の保険営業で、非常に成果をあげることができています。医師相手から、少し視点を変えて、歯科医師。自分の得意分野である情報が、本当は歯科医師の人たちから求められているものだったんだと気づき、うまく行き始めました。お客様である歯科医師のみなさんから、すごく頼りにもされています。
吉武そこで、自分のミッションも、より明確に見つかったかな。
重盛はい。やはり自分は、情報に強みを持つスペシャリストでありたいというこだわりがあるんですよね。私の務める会社は何千人という社員がいて、そのネットワークは非常に力を持っている。だからもし私が持っていない情報であっても、そのネットワークを使うことで、お客様の欲しい情報、知るべき情報を手に入れることができます。そんな環境にいるからこそ、お客様に届けるべき情報を確実に届ける使命を担っているのだと、考えたんです。
吉武それはよかった。トレーニングを通じて、しげさんにとって最も重要だった段階って、どこだと思う?
重盛やはり最初に、トレーニングを受けようと決めた瞬間ですね。「顔が死んでるよ」って言われた1分後には、「絶対このトレーニングを受けよう」と決断していました。決断するのって勇気がいることだけど、決断したからこそちゃんと人生が変わった。ちゃんと決めるということを経験した人にだけ見える景色を、いま私は得られていると思います。