宮田私は子どもに体育を教えるという仕事を元々していて、その仕事で独立しようという気もあったので、スポーツ系のセミナーには通って勉強をしていました。コアコンディショニング協会のセミナーで、吉武さんのことも知っていたんです。知り合いに紹介されて、私が吉武さんの道場に通い始めるよりも前に、何度かお話してますよね。
吉武そうそう、そうだった。でも、道場に通うときは会社をもう辞めていた気もするなぁ。
妄想に本気の喜びがともなってはじめて、
それはエネルギーに変わる。
吉武独立する体勢になってから、トレーニングを受けていたよね?
宮田そうなんです。勢いで。そのときは「やりたい」という想いがハッキリあったはずなのに全然うまく行きませんでしたね。道場に通っているとき、失業保険をもらいながら通っていたんですよ。
吉武思い切ったなぁ。
宮田私は昔から、「妄想家」なんです。小さいころから「あの高校に行って甲子園出場したいな」とか「プロ野球選手になって阪神タイガースに入団したいな」とか。そのあとは「プロサーファーになりたい」と思って宮崎県に移住してきましたし、その延長に幼児体育もあるんです。子どもが言う「プロのテニス選手になりたい」みたいなのを聞いて「ああ、それに寄り添ってあげたいな」っていう妄想。
吉武なんとなく、なんだよね。
宮田そう、なんとなくなんです。だから自分で子ども向けの道場をやろうと思っても、結局何をしたいのか、何をすればいいのか、わかんなかった。体育の指導をすることと、体育の事業を経営するって、全く違うんですよね。お客さんを呼んでくる方法ひとつ、わからなかったんです。
吉武妄想は、いい。でも妄想だけじゃダメなんだよね。そこに具体的な喜びを自分が感じられないと。本当にそれを成し遂げることで自分が喜びを感じられるだろうと考えたことだけが、エネルギーを生むんだよ。
宮田吉武さんのトレーニングを受けたことで、改めて「自分」を発見したような感覚がありました。これでいいんだって、思えて。「自分デビュー」というのかな。スポーツをするこどもたちの中にも、監督や親の影響を受けすぎて自分の能力を発揮できない子っているんですよ。彼らに対して私は、「君の自分の考えって大事なんだよ」って認めてあげることを大事にしているんですけど、それは自分が吉武さんからやってもらったように、彼らを「自分デビュー」させたいのかもしれません。
吉武結局好きなことしか頑張れないもんね。だから得意じゃないことを嫌々やってもダメで、自分が思うことをきちんと表にだせるようになる「自分デビュー」こそ、将来成功していく第一歩なのかもしれないよ。
好きなことは突き詰めていけば、
ちゃんとマネタイズできるはず。
宮田自分の妄想がちゃんと現実的なものに変わっていったのは、10ヶ月のトレーニングの最後の2ヶ月間ですね。卒論として10年後の事業計画書をつくったときでした。ただ漠然と子どもたちに何かしてあげたいなということじゃなくて、それまで人がいなかった地方の公民館をアスリート道場にしてみんなの声を響かせたいなとか、本当にやりたいことを考えて、その想いややり方を綴って。そうしたら自分が思っていた以上に、かなりの分量が書けました。考えて、アウトプットして、できるぞって気持ちになったんです。
吉武失業保険をもらっていたのは、いつまで?
宮田吉武さんのトレーニングを受けながら、自分で道場をひらいて子どもたちを呼んで、というのは少しずつ進めていたので。卒業するころには、なんとか自分の力でやっていけるくらいにはなっていましたよ。
吉武その後は、どうかな。
宮田卒業して2年で、事業を法人化しました。いまでは宮崎市からトップアスリート発掘の委託プロジェクトを引き受けていたりもするんですよ。
吉武すごい。2年でそこまで成長して、大きな仕事も引き受けて。やっぱり、好きで得意なことをやるって、強いよね。そこには誰だって可能性があるし、好きなことをとことん突き詰めれば、マネタイズできるんだよ。
宮田そうですね。逆に苦手なことはいくらやったってダメ。
吉武本当に。このサイトを見ている人に、何かアドバイスをもらえないかな。
宮田何でしょうね。人生は「自分デビュー」したもん勝ちって、伝えたいですかね。自分がどうしたいのか、何をすべきなのか、見つけて自分デビューできるかどうかで、その後の人生が、すごく変わると思うんです。実際、私も吉武さんのトレーニングを受けなかったら、幼児体育の夢は諦めて他の仕事をしていたのかもって、たまに思うことがあるんですよね。「やろう」って決めるのはもしかしたら大変なこともあるかもしれないけど、悩んでいる人はやってみてほしい。デビューしてみれば勝ちなんだって、実感できる日がくるはずです。